朝日

イヨ



          
          
          
          放課後の体育館
          1人、練習をする少年・・・
          
          
          
          
          
          ガラガラガラ・・・
          
          体育館のドアが音をたてながら、開く
          いつも練習に真っ先に来る彼が
          こんなに早い時間に来ていたのか、と思う
          
          「穂村さん」
          
          「島・・・今日は早いんだな、どうした?」
          
          
          現在の時刻、6:30
          
          
          確かに。
          普段なら、こんなに早い時間には来ない。
          それも、1人で。
          けれど。
          
          「だってさ、大会近いし。
          足手まといにはなりたくねぇなー・・・って思ってさ 。」
          
          ガコンッ
          
          ボールが、軌道から外れた
          もう1回。また失敗。
          そんなオレを見て、彼はボールをひとつ、手に取る。
          
          「フォームが安定していないな。
          いいか?シュートの時はこう構えて・・・」
          
          スパッ
          
          綺麗な放物線を描いて
          ボールが、リングへと吸い込まれていく。
          
          「・・・スゲェー・・・」
          
          「少しは、参考になった?」
          
          「・・・やっぱ上手いよなぁー・・・
          オレも、もっと練習しねぇと!」
          
          「・・・どうして・・・」
          
          「えっ?」
          
          お手本のように綺麗なシュートを見て、気合が入った とこ ろ
          彼の不安げな瞳が、こちらを捉える
          
          「どうして・・・そんなに頑張ってくれるんだ?」
          
          「そりゃぁ・・・上手くもなりたいし、
          東野さんや穂村さんが卒業しても、大丈夫なようにす るた め・・・?」
          
          見慣れない彼の表情に
          少し慌てながらも、とりあえず思っていることを伝え る
          確かに、嘘は付いていないのだし。
          
          けれど、予想に反して
          オレの言葉に、彼は俯いてしまった
          
          「・・・ごめん」
          
          「えっ?」
          
          聞き取れないような、小さな声
          でも、何故かそれが妙にはっきりと聞こえたような気 がし て
          
          「・・・ごめんなさい。」
          
          「・・・穂村、さん・・・?」
          
          何で謝るんだよ、と言おうとして
          それは、言葉にはならなかった
          
          「わかってはいるんだ。皆がどれだけ頑張ってるのか 。
          それこそ、何時間も練習して、試合に出たがってるこ と も。でも。」
          
          全員を試合に出してあげられないことが辛い、と。
          
          「・・・でもさ、頑張ってるんじゃん。」
          
          オレはまだまだ子供で。
          出来ることなんて、ほとんどなくて。
          穂村さんが言いたいことの10分の1も理解できてないと 思 うけど。
          
          子供じゃないと、言えないことだって、ある。
          
          「人間なんだし、誰にでもできない事くらい、あるだ ろ?
          そりゃぁ、オレだってレギュラー取りたいし、試合に だっ て出たいよ。
          けどさ、だからって、試合に勝って皆に喜び共有させ てあ げるのだって、
          立派な仕事だろ?」
          
          ・   ・   ・   ・   ・   ・    ・    ・   ・   ・   ・
          
          何も言わない相手に、マズイこと言ったかな、と少し 反省 していると
          軽く溜め息を吐く気配が伝わってきた。
          
          「・・・そうだな。確かに、ちょっとオレらしくなか った か・・・。」
          
          「・・・・・・。」
          
          「島。」
          
          「何?」
          
          「・・・ありがとう」
          
          
          
          ・・・一瞬、
          見えたものはきっと、幻じゃない
          
          
          
          「さて・・・1on1でもやろっか。」
          
          「あっ、ハイ!!」
          
          
          
          考えていたことは
          彼の声にかき消されてしまったけれど、ふと、思う
          
          
          
          
          
          
          
          やっぱり、笑顔が一番だよ。
          
          
          
          
          
          
          
                     

          
          
          
          
          
          
          
          
          あとがき
          
          淡海 築さんより13000HITの穂島でした
          遅くなってしまい、大変申し訳ありませんでした>△ <;
          おまけに、下手すると逆に見えないこともない・・・ (?)
          
          すみません、穂島好きです。
          部活の部長さんで優しいおにーさんと部内NO,1のヤン チャ さん。
          ・・・やばい、大好きだ・・・!
          書くのは非常に楽しかったです。
          こんなものでよろしければどうぞ。。
          
          ではでは。。
          


☆管理人からのコメント☆
無茶なカップリングのリクすいませんでした(笑)
穂村攻め+島受け=最上級萌えの公式にしたがって素晴らしい出来かとv
優しいおにーやんな穂村・・・素敵v
楽しんで書いたのが伝わってきました!ありがとうございました