アサ美 一ヶ月かぶりに、日本へ帰ってきた。 一ヶ月ぶりだというのに、世の中は慌しく動いていて、電車の中から見える町並み も、違う町のように見えた。 一ヶ月前では建っていなかったマンションが、建っていた。 入学シーズンだからであろうか?商店街の看板には紅白の『ご入学おめでとうござい ます』の文字が大きく目立ってる。色鮮やかなショーウインドウに飾ってあるランド セルも、見ていて微笑ましい。 人の服装も、春物に変化していた。 幸い、荷物は全て宅配便で送っている。 家には誰も居ない。 いたとしても、飼っているネコ。 「・・・・・・・・・・・・・・・・」 少し考えてから、逆回りをして今来た道を登り始めた。 別に、一人ぼっちで悲しんでいるであろう飼い猫のことを気にとめなかったわけでは ないが、それより先に、会っておきたいヒトがいた。 ピンポーン 少し高めのチャイムを、長くなった爪で押した。 ・・・帰ったら、爪を切らなければ。 そんなスケジュールを頭の中に押し込んで、誰かが応答してくれるのを待った。 「はーい。」おっとりしたトーンで返事がある 「こんにちは。桔梗ですが・・・」 「あら、桔梗ちゃん?待ってね、今開けます。」 ガタガタと音がして、手前にあるドアが開いた。 立っていたのは髪が綺麗な女の人。 「お久しぶりね、いつ帰ってこられたの?」 「ついさっきです。」 「いやだわ、わかっていれば何か作って待ってたのよ。」 「いいです、すみません。」 私と親しい間柄にある人が、手招きをしてくれた。 私も自然に微笑み、後についていく。 「犬夜叉ね?多分、部屋に居ると思うから・・・。後でお茶を持っていきますから ね。」 「おかまいなく・・・。」 荷物を下のリビングに置かせてもらって、目的の人に会いに行く。 「・・・犬夜叉?いるのか。」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 「っ?犬夜・・・」 バンッッ 凄い音と共に、ドアが大きく開いた。 そこには私を見上げ驚愕している青年。 「桔梗・・・」 「ただいま。」 ただいま。 「何で帰ってきてるんだよ。」 あの後、二言三言話して、彼の部屋に入れてもらった。 「第一声がそれか?」 呆れ声を出した私をキッと睨み、視線を戻した。 「手紙を出しておいただろう?今日帰ると。」 「今日って21日だよな?」 「23日。」 「・・・・・・・でぇぇっ!?オレずっと21日だと思ってたぜ!」 「威張れることじゃ無いだろう、全然!と、いうか!何故2日も間違っているん だ。」 「そういやこの頃テレビ見なかったしなー・・・。」 「テレビ?」 「時間感覚が鈍ってるらしいな。」 「・・・・・・・・・・・・カレンダーとか・・・。あるだろ。」 「カレンダーははずした。」 「・・・もう何も言わん・・・。」 「最後まで聞けって。っていうかな、全部お前が悪いんだろっ!」 「何故私が?」 少しキツメに言うと、彼は気まずそうに附いた。 「お前が帰ってこないからさ・・・、カレンダー見るのも臆痛だろ。」 「・・・・・・・・・もしかしてそれだけの理由で?」 こくり。 「・・・・・・・・・・・・」 呆れ半分。 嬉しさ、半分。 「ま、それとこれとは良いとして・・・。」 「今日は23日だろ?」 「みたいだな。」 「・・・・・・・・ふふっ。」 「クっ・・・。」 嬉しさか、滑稽さかでわからない笑いをして、お互いを確かめ合った。 「おかえり。」 おかえり。 「ただいま。」 +++++++++ 現代版小説シリーズ(いつからシリーズ化したのか)第二段です! あまり、突っ込まぬよう・・・。 ※この時の犬夜叉は、前回の珊瑚版とは全く違う設定です。だから別に、犬夜叉が珊 瑚と桔梗に二股かけてるわけじゃありません(苦笑)。 あんまり関係無いのですが、犬夜叉はロシア人と日本人のハーフなような気がしま す。(全く関係ない・・・) 管理人から☆ アサ美さんありがとうございました〜>< お疲れ様です!! 今回の話は私的にすっごくツボでした!! 「おかえり」「ただいま」の一連もムードっていうか、雰囲気が良いし、 なによりカレンダーのところ!!!(誰か止めろ; 素晴らしすぎです、ああ〜もう、犬夜叉ったらvv(爆死) 言われてみればハーフな気がしないでもないですね。 目、黄色ですしvv って!ロシア人ですか〜?///(喜) それはもう偽りのラ●オンですね!!(管理人が好んでいる漫画。あえて伏字;) ではでは、しょーも無い一言からこんなに素敵な小説頂いてしまいまして恐縮な神無月でした; |
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