愛のカタチ。

イヨ



          
          今ではすっかり、本当の趣味となってしまったけれど 。
          やり始めた理由は、単純だった。
          
          ただ単に、弟の喜ぶ顔が見たかっただけ。
          
          
          
          
          
          ある日。
          アニシナからあみぐるみを貰った。
          
          今となっては、貰った理由も覚えていないのだが
          確かあれは、誕生日プレゼントだったような気がする 。
          猫ちゃんとうさちゃんのあみぐるみ。
          
          可愛くて、部屋の隅にこっそりと飾っていたら
          まだ幼い弟に、目ざとく発見された。
          
          「あにうえー、それ、なーに?」
          
          「ああ・・・これか?
          これは、あみぐるみというモノだが・・・」
          
          「へぇ〜、かわいい〜vv」
          
          その、あまりにも無邪気な笑顔にほだされたのか、
          思わず、呟いていた。
          
          「・・・やろうか?」
          
          「えっ?」
          
          「それが・・・欲しいか?」
          
          
          
          「でも・・・アニシナから貰ったものなんでしょう? 」
          
          「・・・、気にするな。」
          
          本当を言うと、名残惜しかったのかもしれないし
          他人から貰ったものを、違う者に渡すことに抵抗があ った のかも知れない。
          それも、相手はあの幼馴染なのだし。
          
          ―――が、理由はともあれ。
          
          「ううん・・・いいです。」
          
          子供は、えてして大人よりもこういったことに敏感だ 。
          何か思うところがあったのか、遠慮された。
          
          
          
          それからだった。
          幼馴染にあみぐるみの作り方を習い始めたのは。
          思えば、この頃から彼女には頭が上がらなかったよう な気 がする。
          けれど、ただ、単純に、弟の喜ぶ顔が見たかった。
          
          
          
          ―――そして、今に至る。
          
          既に、試作品はとうに100を超え。
          今では、慢性的な里親不足にさえ、なっている。
          
          けれど、あみぐるみ自体の楽しさにも目覚めてしまっ た今 は。
          もう、やめられるような気がしない。
          今も、里親の決まった猫ちゃんに、鈴をつけてやって いる ところだった。
          
          関係ないが、今回のは、自信作だ。
          しかし、こういうことをしていると
          時折、凄く不思議な気分になる。
          
          それも、これも。
          
          「兄上。」
          
          「・・・何だ?」
          
          「今日の仕事が、終わりました。」
          
          「・・・、そうか。」
          
          この三男が原因だなんて。
          本人はきっと、知りもしないのだろう。
          
          「・・・そうだ、」
          
          「?何です?」
          
          「・・・これを、持っていかないか?」
          
          それは、先程リボンを付けてやった物だ。
          彼にはしょっちゅう、あみぐるみをあげているので、
          何の躊躇もなく受け取られる。
          
          ちなみに、次男であるコンラートにもあげているが、
          彼の部屋には人の出入りが激しいので(例・ユーリ)
          基本的には、クローゼットの中に、綺麗に整頓されて いる らしい。
          
          
          
          
          
          本当は。
          あの猫には、既に里親がいたけれど。
          また、別のものをつくればいい。
          
          
          
          「兄上、ありがとうございます。」
          
          
          
          
          
          この笑顔が見れるのなら。
          
          
          
          
          
          
          
          
          
          
          
          これもひとつの、愛のカタチ。
          
          
          

          
          
          
          
          
          
          
          
          あとがき
          
          築 せぴあさんより、16261HITキリリクのグウェンヴ ォル でした。
          何となく、ほのぼのなかんじにしてみましたが、いか がで したか?
          少しでも気に入っていただければ幸いです。
          
          へたれ長男。
          長男、最近すごく大好きですv
          ブラコンな兄に、堪らなく萌え・・・いえ、素晴らし い なぁ、と思っています。
          
          2005年も、ブラコン&ヘタレ推奨派で行きたいと思っ てい るので
          こんな私でよろしければ、これからも、どうぞよろし くお 願いしますvv
          
          


☆管理人からのコメント☆
あけおめです、新年から濃いブツを有難うございます。
2005年もブラコン・ヘタレ攻め仲間として宜しくお願いします
笑顔が見たくてあみぐるみを作る長男萌えー!無邪気三男萌えー!
げほげほ。一年分のパワーを溜めさせて頂きました(チャージ)